当院の虫歯治療

歯は、削れば削るほど脆くなるものです。そして、脆くなった歯は虫歯が再発しやすくなります。歯を長持ちさせるには、できるだけ削らないほうが良いと言えます。

そのため当院では、虫歯菌に侵されていない健康な歯をなるべく削らず、虫歯の部分だけを狙って削り取る治療方法「ＭＩ（ミニマルインターベンション）治療」に取り組んでいます。

歯を削る「バー」には、ＭＩ治療用の極細のものを採用。少しずつ丁寧に歯を削っていきます。

歯を削る際には、「拡大鏡」という歯科用のルーペを用いています。歯を大きく拡大して確認できるため、拡大鏡の使用は精密な治療に欠かせません。誤って歯を削りすぎてしまわないためにも有効です。

当院では、虫歯菌に侵された部分を明確に判別できるようになる薬剤「う蝕検知液」を使用しています。これにより、虫歯の部分をしっかりと見極めてから歯を削ることが可能です。健康な歯を誤って削りすぎてしまう心配が減ります。

虫歯の部分を削った後は、削って穴になった部分に詰め物をする必要があります。

かつては、詰め物と歯をくっつける接着剤の性能が低かったため、虫歯の削り方を工夫して「引っかかり」を作り、詰め物が外れないよう維持していました。しかしこの方法では、引っかかりを作るために、虫歯ではない健康な組織まで削らなくてはなりませんでした。

しかし、近年では性能の良い接着剤が開発され、虫歯の部分のみを削るだけで詰め物を維持できるようになりました。当院ではいち早くこの接着剤を取り入れ、治療に活用しています。性能の良い接着剤は、材料費が高額になってしまいがち。しかし、できるだけ歯を削らない治療を行うため、当院では保険治療であってもこの接着剤を使用しています。

当院の場合、ごく初期の小さな虫歯は削らない、という選択をすることがあります。なぜなら、ごく初期の虫歯は「再石灰化（さいせっかいか）」という自然修復の作用により、元に戻ったり、虫歯の進行がストップしたりする可能性があるためです。

適切な診断をするために、虫歯をレーザーで感知し、数値化して診断できる装置「ダイアグノデント」を導入。削る必要のない初期の虫歯かどうかを判断する際にこれを役立てることで、歯を削りすぎない治療を進めています。

患者さまの歯を少しでも長持ちさせられるよう、私たちはこうした工夫を取り入れ、なるべく歯を削らない治療に取り組んでいます。